看護業界では、潜在看護師にどうしたら復職してもらうことができるかが、大きな課題となっている。看護業界に関わりが無い人にとって、潜在看護師という言葉はあまり聞き慣れない言葉かもしれない。潜在看護師というのは、65歳以下で看護師の資格を有しているにも関わらず、何らかの事情で看護師として働いていない潜在的に眠っている状態の人材のことをいう。実際に、潜在看護師は増え続けており、総数は71万人以上にのぼると推定されているのだ。
潜在看護師が生じる要因は、女性のライフステージの変化に伴うことがきっかけとなっている。例えば、結婚や妊娠、そして出産を契機に職場を離れ、そのまま職場復帰をしない看護師が多いと言われている。このような理由から看護師の仕事から離れ、そのまま離脱してしまうという看護師は少なくないのである。
そこで、こうした状況をなんとかして打開すべく、対策が講じられるようになっているのである。例えば、潜在看護師問題の解消のために取り組んでいるのが、看護師の復職支援のための研修制度の充実である。離職後になかなか復職に踏み切れない理由に、ブランクによるスキルの不足に不安を感じる看護師が多いという。そのような理由から、一定期間しっかりと研修を受け、看護師としてのスキルを改めて習得してから、現場に復帰する研修支援制度が設けられるようになった。この研修制度のおかげで、潜在看護師が臨床現場への復職がしやすくなっているのだ。