厚生労働省が2019年に発表した調査によると、2025年には最大27万人の看護職員が不足すると推計されている。そこで注目されているのが「潜在看護師」と呼ばれる人たちである。看護師免許を持っている人たちの中で、現在看護師として就業していない人たちのことを指す言葉で、看護師不足を解消する一手になると期待されている。
結婚出産や介護などの理由で離職した人たちに、再び看護の道に戻ってもらえるように国としても力を入れている。看護師の復職は、今後もさらに加速していく高齢化社会に向けて国家的な課題とも言えるものである。訪問看護や介護施設の増加など、看護師が必要とされる場はこれからますます増えていくことが予想される。そのため、看護師の復職を支援する施設であるナースセンターの体制強化を定めた法令を整備するなど、国としても重点的に対策をとっている分野である。
また、一般企業においても昨今はワークライフバランスへの取り組みが声高に叫ばれている。看護師の離職理由として夜勤の負担が挙げられることが多い。結婚出産で退職をした人たちにとっては、復職するに当たり大きなネックになる問題である。病院側でも人材不足解消に向けての動きが進んでおり、子供のいる母親でも働きやすいように、時短勤務や有給取得を推奨する病院も増えている。離職してから相当ブランクがあり、現場復帰が不安な場合には、復職支援制度を利用するのもおすすめだ。各病院主催で参加費も無料の場合が多く、最近の看護の動向に関する講義やインターンシップへの参加が可能なため、再就職への第一歩となるだろう。